開院から半年を振り返って
こんにちは、関係者の皆様には日頃より大変お世話になっております。
あいの里アットホームクリニック院長の塩野谷です。
当院を開院してから半年が経過しました。
そのような時期で訪問診療患者数がとうとう100人を超えました。
最近はホームページの効果もあり、開院当初に比べて様々な方々に認知されてきたようで、医療従事者の皆様からだけではなく、患者様や御家族から直接御依頼を頂くことも増えてきました。
現在抱えていらっしゃる(もしくは今後訪れるであろう状況に関しての)お悩みをメールで頂いて、そこから直接訪問診療を開始させて頂くこともあります。
そんな中
現在のホームページに記載している情報だけでは
「あいの里アットホームクリニックの実際の活動がわかりにくい」
「自分の病気でも診てもらえるのかわからない」
というお問い合わせを頂きました。
そこで
患者様や御家族様、医療従事者(医師、看護師、医療ソーシャルワーカー、介護職員など)の皆様に当院をさらに知って頂くために、開院してから今まで半年の診療実績を公開させて頂くことにしました。
みなさまからよく質問頂くことを中心にまとめました。
- 訪問診療はどのくらい行っているのか。どこまでが訪問範囲なのか。
→これまで半年間での総訪問診療回数は約500回です。
訪問範囲に関しましては当院から16km以内の範囲と定められています。
その範囲内では下の表にお示しする通り、札幌だけでなく、石狩市、当別町からの御依頼が増えている状況です。
先日10月19日には石狩の病院、施設、訪問看護の関係者の皆様へ、WEBで勉強会を開かせて頂きました。
今後も引き続き訪問診療の魅力を発信していきたいと考えています。
訪問人数 | 割合 |
札幌市北区 | 45% |
石狩 | 22% |
札幌市東区 | 15% |
札幌市西区 | 10% |
当別 | 6% |
中央区 | 1% |
- 在宅での看取りは可能なのか。どのような病気で対応可能なのか。年齢制限はあるのか
→半年間で30件ほどの在宅看取りを任せていただきました。
当院では患者様の抱えていらっしゃるご病気が、悪性疾患かどうかは関係なく診療させていただいています。
下の表にお示しします通り、希望される患者様の年齢は高齢者の方が多くなっています。
【これまでに診療させていただいた病名】
・悪性疾患
胃癌、大腸癌、肝臓癌、胆管癌、膵臓癌、肺癌、膀胱癌、前立腺癌、卵巣癌、子宮癌、皮膚癌、乳癌、原発不明癌、白血病 等
・非悪性疾患
老衰、肝硬変、脳卒中、塵肺、間質性肺炎 等
以上の疾患が診察させていただく機会が比較的多い疾患でした。もちろんこれら以外の疾患でも対応致しますので、少しでも疑問がありましたら当院のホームページのお問合せより連絡いただければと思います。
40歳台 | 3% |
50歳台 | 0% |
60歳台 | 8% |
70歳台 | 21% |
80歳台 | 45% |
90歳台 | 22% |
100歳台 | 1% |
- 訪問看護ステーションとの連携はどうか
→現在当院では重症な患者様の診療に携わらせていただくケースが多いので、訪問看護ステーションと協力して診療に取り組むことが多いです。
訪問看護師の皆様に現在の病気の状態を鑑みて我々から指示を出すために必要な、「訪問看護指示書」は160回以上提出しています。より連携をとるために時間を作り、定期的に勉強会や臨時でカンファレンス(多職種を交え、方向性やより良い取り組みを模索する会議)を開催しています。
- 病院との連携はどうか
→重症な患者様を入院から自宅もしくは施設等での訪問診療に引き継ぐ場合に、対面もしくはWEBで退院時カンファレンスを行い、スムーズに患者様を引き継げるよう努力しています。
このカンファレンスは、半年間で15回実施致しました。できる限り病院でのご様子を担当のスタッフの方々から直接伺いたいと思っています。
- 緊急時、夜間の対応はしているか
→緊急、休日、夜間、深夜の往診を約50回行いました。
訪問看護ステーションと連携し緊急往診が必要な場合に出動しています。もちろん、看取りの場合もできる限り早く対応しています。
まとめ:
我々の目標・理念として、通院が難しい患者様や、家に戻りたいと願う患者様を疾患にとらわれずできるだけ幅広く受け入れていきたい、そしてそれが当院の成長、さらにより良い質の高い訪問診療に繋がっていくと考えています。
また病院、訪問看護ステーション、薬局、居宅介護支援事業所とスムーズに連携できるようこれまで以上に愚直に努力を積み上げていく所存です。
非常にありがたいことに密に連携させている事業所様がいくつかございますので、訪問診療を御依頼いただく際には、当院まで御相談いただければと思います。
病気やそれに伴う状況に関することでの皆様の不安、悩みの解決のお手伝いが少しでもできるならば、我々にとってそれに勝る喜びはありません。
下に今までお示しできなかった細かいデータを掲載させていただきます。
さらに詳細な情報を知りたい皆様は参考にしていただければと思います。
往診 | 154 | 回 | ||
緊急・休日・夜間・深夜往診 | 49 | 回 | ||
訪問診療 | 489 | 回 | ||
施医総管 | 65 | 回 | ||
在医総管 | 117 | 回 | ||
在がん | 3 | 人 | ||
看取り(死亡診断書) | 28 | 回(搬送後も含め30回) | ||
訪問看護指示書 | 160 | 回 | ||
退院時共同指導 | 15 | 回 |
今回は今までの半年間を振り返るというテーマで
少し細かいデータをお示ししながらお話させていただきました。
少しでも当院の雰囲気、診療の様子などが伝わりましたら嬉しいです。
すでに連携を取らせていただいている事業所様はもちろんのこと
まだまだこれから知り合うであろう皆様、そして患者様
皆さまのご期待に少しでも応えられるよう、日々精進を続けこれからも邁進していくつもりです。
あいの里はすっかり寒くなり、もう雪が降るのでは…という日もありますが
雪に負けない熱い診療をこれからも続けていきますので、よろしくお願いいたします。
それでは今回はこのあたりで失礼いたします。
皆さまの益々のご活躍・ご健勝をお祈りしております。