クーデックエイミーPCA導入と勉強会のお知らせ
日頃より関係者様には大変お世話になっております。院長の塩野谷です。
開業して約3か月が経過しました。その間、たくさんの患者様を病院様、訪問看護ステーション様、地域包括センター様、居宅介護支援事業所様、他にも多数の組織から御紹介頂いております。この場を借りて心から感謝申し上げます。
本日まで、認知症の進行に伴い通院困難になってしまった方や、足や腰などの機能低下で病院へ通えない方、がんや難病が進行し通院が難しい方、施設に入所されている方など、様々な疾患の方を診療させていただいております。
その中でもやはりがんの終末期の方の緩和治療の御依頼を頂くことが多いです。この3か月で11件、御自宅での看取りを経験致しました。
数日といった予後が想定される中で、1日だけご家族様、ご友人様とご自宅で再会したい…との想いを叶えるため薬局様、訪問看護ステーション様などと協力して退院時カンファレンスから初診、サービス導入などかなりのスピード感を持って対応したケースなどもありました。
そうした経験の中で見えてくる新たな課題や、我々にできることを日々ブラッシュアップし、診療をよりよいものに改善していこうとチーム一丸で取り組む毎日です。正直あっという間の3か月と言っても過言ではありませんでした。
それも関係者様のお力添え無しには成し遂げられぬことばかりです。重ね重ねにはなりますが、この場を借りて深く感謝申し上げます。そしてこれからも何卒よろしくお願いいたします。
少し話を移しまして、今回のテーマとなりますがんの治療に関して少しだけ説明させてください。
癌の終末期の治療においては、痛み、呼吸苦といった症状を緩和するために医療用麻薬を使用することがあります。麻薬は使用に関しては注射のイメージが強いかもしれませんが、実は内服薬、貼付剤、坐剤、注射剤と種類は多岐にわたります。その中で現在の患者様の状態や、介護者様の負担や環境を考慮して最もベストな剤型を選択していくことになります。
ただやはり効果の迅速性や細かい調整の面では注射剤に軍配があがることが多く、痛みや呼吸苦のコントロールが難しい場合には、24時間持続注射というものを使用する場合があります。
今回、当院では24時間持続注射を実施するための最新機器となる「クーデックエイミーPCA(Patient Controlled Analgesia: 自己調節鎮痛法)」という新しい携帯型ディスポーザブル注入ポンプを導入しました。従来24時間持続注射を実施する際には、多くのケースでCADDという機械を使うことが多く、慣れれば問題ないのですが、機器のボタン操作がなかなか多く少し手間に感じる部分がありました。
このクーデックエイミーPCAの良いところは、スマートフォン1台で麻薬の流速やPCA1回あたりの流量、ロックアウトタイムをきめ細かく、そして非常に簡単に設定することが可能です。
↓スマホにはこのように表示され、フリックとタッチで簡単に設定することができます
そして痛みが強い時に、患者様や御家族様が自分たちでボタンを押して薬を追加投与できます。さらに当院では、クーデックが最新機器ということもあり、導入にあたって訪問看護ステーションや薬局と頻回に勉強会を実施し、さらに予定が合えば実際に患者様へ導入の際にも全職種集合して再度確認を実施という万全の体制をとっております。
このようなクーデックをはじめとした、在宅で利用可能な最新医療機器が年々増えてきています。当院では積極的にそのような最新機器を導入して、常により良い医療を全力でお届けしていきます。
↓こちらクーデック本体とお薬が入っているバッグです
どうでしたでしょうか?少しわかりにくいところもあったかもしれませんが…いつでも質問いただければお答えいたしますのでお気軽にクリニックまでご相談ください。
さらに今回のお話につながるのですが、
来る2022年7月25日月曜日に、普段お世話になっている在宅訪問診療、医療従事者、介護従事者様を中心に勉強会兼懇親会を開きたいと考えております。
今回ブロブに取り上げましたクーデックをはじめ当院の取り組みや、関わっていただいていらっしゃる皆様とさらに親睦を深めることができればと考えております。
適切な感染対策、体温測定、マスク着用、飛沫対策(アクリル板)を徹底したうえで、開催いたしますので、ご予定会う方は是非奮ってご参加いただければと思います。
もしかするとこちらから連絡を差し上げることがあるかもしれません笑
ブロブを読んで、今回の会にご興味を持っていただけた方はお気軽にinfo@ainosatoathome.comまでご連絡下さい。よろしくお願い致します。
それでは今回のブログはこのあたりで。
暑い日々が増えてきましたので、熱中症にはお気をつけくださいませ。末筆ながら皆様のますますのご活躍をお祈り申し上げます。